特徴
二ヶ領用水の全長は約32km。
中野島近くと宿河原近くの2ヵ所で、多摩川から取水してから川崎の海までの約32Km・川崎全土に流れています。
二ヶ領用水は「人工用水」といって、江戸時代の初めに旧稲毛領(川崎市北部)と川崎領の「二ヶ領」の農地に水を引くために建設されたものになります。
400年前、この二ヶ領の領地に水を引くことで、農業生産基盤が貧弱な川崎の農業を支えていました。
二ヶ領用水は、現在のような小川や桜の名所としてだけでなく、400年の歴史を持つ文化財として保存・活用されています。
[参照:川崎市-二ヶ領用水]
[関連:川崎市-二ヶ領用水の史跡・見どころ紹介]
歴史
農業を支えた神奈川県最古の人工用水
二ヶ領用水が誕生したのは、江戸時代初期(1611年)のことです。
二ヶ領用水は、旧稲毛領と川崎領の二ヶ領の農地に水を引くために徳川家康に仕えていた小泉次太夫によって建設されました。
この時期の関東は、徳川家康が旧領地の駿河国(静岡県)から江戸(関東)に移ったばかりということもあり、荒廃した地域で、未開拓の状況です。
早急に幕府体制づくりが行われました。そこで、幕府への年貢を多く徴収するため、経済の基盤である農業生産力を課題に、多摩川沿岸一帯の開発に着手にあたります。
その際に起用された人物が小泉次太夫です。
近くの河川から水を引き、人工的に田や畑へ給水をする農業用水のための「二ヶ領用水」が作られたのです。
完成後は、多くの新田が拓かれ、大きな影響を与えました。
現在は、その役割は少ないですが、かつては農業を支えた重要な人工用水として使われていました。
[参照:多摩川の見どころ-関東地方整備局]
現在
地域の人々に安らぎを与える「憩いの場」
2020年3月には、国の登録記念物に登録されました。
かつての目的であった農業用水としての役割は小さいですが、現在も環境用水として利用されています。
また、環境に配慮した河川整備(=親水整備)がされ、川崎の「名所」として地域の人々に親しまれています。
特に春には、ほぼ全域にわたって桜並木が続き、桜見物や散策などの「名所」になっています。
地域保全
二ヶ領用水は、市民団体において各種イベントや清掃活動、桜の植樹などの活動が多く行われています。
是非、参加してみてください。